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NO.186 相続税の路線価公表、連続9年下落▲6.2%−平成13年の土地と自社株の評価、売買、贈与に着手しましょう。 平成13年8月3日、相続税の土地の財産評価の基礎となる路線価公表が始まった。9年連続下落、路線価の平均額は全国平均で13万7000円/uで、前年の14万6000円から6.2%下落し、9年連続下落となった。今年10月以降には、インターネットでの公開も予定されている。
「平成13年分の路線価等について」 平成13年8月 国税庁
路線価は、毎年8月上旬に相続税の計算上、土地の財産評価の基準とするために、国税庁が公表している公道に接する土地の1月1日現在の1u当たり地価です。
公表された平成13年路線価は、全国平均で▲6.2%、9年連続の下落となっていますが、下落幅は0.8%縮小しています。
ただし、都心部などは、公示価格と連動して上昇。路線価が日本一になる銀座5丁目の鳩居堂ビルの敷地(1168万円/u)は1.4%、港区の麻布十番、渋谷区の表参道などが上昇しています。
1.路線価は相続税の土地評価の基準
路線価公表により、今年起きた相続については、さっそく財産評価作業に入ることでしょう。
その路線価が高く、実態に合わないときは、評価方式の検討、時価鑑定などが必要になります。
2.路線価は、土地納税の基準
また、相続税の納税のために、相続土地を原資に資金化使用とした場合は、物納か、延納か、売却か、いずれの方法が有利かの選択をしなければなりません。
3.路線価は、財産対策の資産再編の基準
土地や土地を所有する自社株の贈与や売買にも、路線価を算定して税務上の方向性を定めることになります。
さあ、今年の財産対策実行がスタートします。
NO.185 10月1日からの金庫株解禁商法改正−自己株買取原則自由だが、使えるか?同族自己株の統合・資金化、個人株主は増税に
平成13年10月1日より、改正商法が施行される予定であり、金庫株が解禁される(エクスプレスの最新トピックNO.181)。自己株買取が原則自由になったことで、事業承継対策にも活用されると期待が高かったが、税がブレーキとなる可能性がでてきた。
■自己株の買戻しは、原則不可→原則自由
平成13年6月22日に国会成立した金庫株制度を盛り込んだ改正商法が10月1日より施行される予定です。従来の商法で消却やストックオプションなどの例外を除いては、原則禁止だった自己株買戻しを解禁、企業が特定の目的を定めずに取得可能、金庫に放り込んで保有も原則自由となります。ここで期待されたのはこれまで買取制限のあった非公開自社株です。市場流通性がなく経営権確保のためには第三者に売却することもできず、相続税評価と負担だけが高い非公開自社株を会社が買取って納税資金化する可能性ができました。
■自社株買取の手続きと買取限度−含み資産の多い会社は頭打ちに
公開会社であれば、原則として市場取引又は公開買付けの方法によります。
非公開会社においては、原則として買受ける特定の者を指名し、定時株主総会の特別決議により、買受株式の種類・総数・取得価格の総額を、配当可能利益+減少する法定準備金・資本金の額を限度とされます。会社の含み益が大きい場合は、配当可能利益の計算上その含み益は算定しませんから、含みで高額評価となっている会社の株主には限界があります。
自己株は、従来は原則取得保有不可でしたから、早期に消却・売却すべきものとして財務諸表では資産の部に計上されましたが、改正により資本の部の資本の減算項目表示されます。
■買取価格はみなし譲渡通達準用−時価純資産法人税控除しない価格と類似併用価格で
買取価格は、公開会社は当然に市場価格ですが、非公開会社の場合が問題です。
ここで登場するのが法人に資産を売却した場合の時価を規定した平成12年12月23日発遣の所得税みなし譲渡通達です。金庫株制度を予定していたかのようなタイミングの良さです。
株式の時価は売買実例適正価額とされ、実例適正価額がない場合は、財産評価基本通達の取引相場のない株式の評価基準を準用することとして、その判定に独自の基準を設けました。@同族株主判定は、譲渡贈与直前保有株式数による、A中心的同族株主に該当するときは常に小会社に該当するものとする、B土地等や上場株は譲渡時の時価とする、C純資産価額の算定では法人税相当額(42%)控除は行わない、とされています。
設立時に発起人名義で分散した株の買い戻しなどにぜひ応用したいところです。中心同族株主は高額買取資金化ができますが、問題は下記の譲渡課税の改正です。
■売主の譲渡課税は、株譲渡課税26%→配当所得最高50%総合課税へ大増税!?
(1)買主法人の会計税務処理…資本の部の控除項目として、取得自己株式数に対応する額を資本等の金額の減、差額は利益積立金の減額とされ別表五(二)で調整します。
(2)個人売主は増税に?…発行法人の利益積立金の減額に対応する売却額は、9月末まで26%税率譲渡益課税が、10月1日以降は同族中心株主にはみなし配当として最高50%の総合課税と大増税。せっかく自由化された自己株買いにブレーキがかかりそうです。いったん別法人へ26%で売却し、受取配当の益金不算入による自己株買い、相続株は発行会社の買取を前提に物納、など迂回策が講じられるかも知れませんが、税当局の取扱が注目されます。
No.184 税務署さんの誤指導で申告が誤った場合には延滞税は取られない−国税庁が通達をようやく発遣 平成13年7月17日、国税庁は、平成13年6月22日付けの法令解釈通達「人為による異常な災害又は事故による延滞税の免除について(法令解釈通達)」を公表した。国税の誤指導の範囲には面接相談や解説本も含め、誤指導にしたがった結果の申告誤りの場合には、延滞税を免除するものである。
≪国税庁さんが出した新しい通達です。
タイトルは一見それとわかりにくいものの、つまり、税務署さんが納税者に誤指導をした結果、それを信じて納税者が誤った申告をして、少ない税金を納めたとしても、その罰金である付帯税は免除されるという内容です。
あたりまえといえばあたりまえ、なんですが、これが今までは、過少申告加算税などの罰金は免除になっても、期限遅れの延滞税は、実は免除にならなかったのです。
ところが、エクスプレス情報NO.115(平成13年5月17日号)「税務署の「ご指導」は「誤指導」?−ストックオプションの課税指導誤りに加算税・延滞税取消措置」で既報のとおり、税務署が途中で見解を翻したために、過去の国税庁の質疑応答文書の解説を信じて申告した納税者が、信義則を問題にして訴訟を起こす事態が続出しました。
また、「平和事件」と呼ばれる無利息貸付金の認定利息の訴訟も記憶に新しいところです。
そこで、税務署が誤指導をした場合、あるいは税務解釈を変更した場合の罰金の取扱を、今回明文化しました。
もともと、こうした誤指導の場合には、税金を少なく申告しすぎた場合の罰金である過少申告加算税は、課税事務の取扱で免除されていました。しかし期限遅れの利息にあたる延滞税については、利息は遅れた分だけトクしてるでしょ、とばかりに、免除になっていなかったのです。
納税者からみれば、この低金利時代に、原則4.5%、それ以降14.6%という延滞税は、サラ金並の高利、とんでもないと反発がでていました。
1.今回の通達では、延滞税免除は下記のケースとしています。
(1)税務署の誤指導
納税者がちゃんと資料提出していたのに、税務署員が誤った指導をし、それを納税者が信頼してその通りに申告したことについて、納税者に責任がない場合(その後の税務調査で何も言われないというのは誤指導とはならない)
→法定申告期限の翌日から誤指導を知った日から7日間までの延滞税免除
(2)申告書を提出した後で、法令通達解釈が明確になった場合で納税者の解釈に相当の理由があること(税法の不知・誤解・事実誤認はこれにあたらない)
→法定申告期限の翌日〜解釈が明らかになったことを知った日から7日間まで延滞税免除
(3)申告期限の段階で具体的金額が確定していないため税額計算できない場合などその他
→確定した日など以後7日間までの延滞税免除
2.事前確認でリスクヘッジを
税務上解釈が明らかでないグレーゾーンや、事実認定により解釈が左右されるポイントは、実はたくさんあります。特に資産税の分野では、その傾向が顕著です。
技を凝らした「節税対策」を行っても、それが判断ミスだったり、後日に解釈変更があったりした場合は、後日の税務調査で過少申告加算税や延滞税が、どかん!とかけられてしまえば目もあてられません。
積極的に事前折衝をして、担当官の確認を得たポイントについては、後日覆っても加算税延滞税のリスクが回避できるのですから、グレーなポイントについては、事前確認をしてしまえば、怖いものなし。
もちろん事前確認の「証拠」はきっちり残しておくことです。
こうした行政当局との折衝を、理論的にきちんとできる専門家が必要なのです。≫
NO.183 総務省は固定資産税評価額を平成15年度よりネットで公表、建設省は不動産評価基準に収益還元導入も 平成13年7月4日、総務省は固定資産税評価額をネット公開することを公表した。また7月6日、国土交通省は不動産鑑定士が土地や建物の価格を算定する際の基準を11年ぶりに見直し、来年度に新基準を導入することを発表した。
≪企業の減損会計や時価評価に必要な不動産評価について見直しと公示制度が、急ピッチで進められています。
1.固定資産税評価額の公表
総務省は固定資産税の評価替えがある平成15年度をめどに、全国約434万地点の固定資産税評価額をインターネットで無料公開することととしました。
すでに地価公示価格は、国土庁のホームページで各公示ポイントごとに検索できるようにされていますが、固定資産税評価の徴税事務の透明性を高めようというものです。
一方で、土地取引の促進につなげる。一般消費者が土地を購入する際の目安にしたり、不動産業者や金融機関が担保評価に利用したりといった幅広い活用を見込むものです。
現在は、土地や家屋にかかる固定資産税を算出する基になる評価額は現在、市町村の窓口でのみ公開していますが、これを電子データ化し、家庭やオフィスなどで各地点の評価額が手軽に調べられるようになります。
来年の基準地価公表以降、まずはCD−ROMデータにより順次市区町村役場の窓口で検索できるようにします。
公示地価などに比べ、遅れていた固定資産税評価の公表がようやく進み始めました。
また、平成13年国土交通省は不動産鑑定士が土地や建物の価格を算定する際の基準を11年ぶりに見直し、平成14年度より、新基準を導入することを公表しました。
現在は土地だけの評価が中心になっていますが、新基準では商業用不動産などを対象に、欧米のように土地と建物を一体とみなし、賃料などでどの程度の収益が見込めるかによって評価する方式に転換します。
同省では不動産の収益性が明確になることで物件の売買や証券化がしやすくなり、不動産市場の活性化に繋げようというものです。
これまでの「日本式」不動産鑑定評価は、土地は売買事例法、建物は取得価額をもとにした原価積算法が評価方法の中心であり、建物と土地を別個に評価してきました。
しかし、実際の不動産売買取引は、土地と建物を一体とみなし、賃料などの収益率で評価する欧米で主流の「収益還元法」で査定され、流通しています。
企業が所有不動産を証券化したり、金融資産として売買するために不動産投資信託(日本版REIT)を組成する上で、不動産の収益価値を反映した評価額査定が急務とされていました。
日本の不動産が、国際標準の「公正でオープンな」評価を受けるシステムがようやく始動します。遅すぎる感もありますが、早期に実現できるよう、期待したいものです。≫
NO.182 税務署はここを見ている!こんな会社が注目される−国税庁、法人の税務調査対象分類を明らかに 国税庁はこのほど、法人の管理区分や判定基準、管理事務手順を明らかにした。
≪税務署さんは、7月初頭が人事異動時期。6月末で一期間が区切られ、新任体制でスタートします。
新任体制で着手するのが、前任からの引継と調査対象事案の選定ですが、その基礎になるのが、各法人の区分管理。これは、過去の申告の実績や調査事績、資料箋・情報により行います。
今回、その区分管理の方法が明らかになりました。
●第1グループ(優秀ですねグループ)
@判定事務年度の開始年の2月1日〜翌1月31日の事業年度の終了の日以前3年以内開始事業年度で継続して期限内青色申告をしている法人。
つまり、今なら、来年1月末までに終了する決算期の前・前期までがきちんと期限内青色申告ができていたか、です。
A過去5年間の同じ国税局管内の法人の平均所得金額以上であること。
ただし、平均以下でも業績の早期回復が見込めればよく、所得ゼロの決算期でも、赤字理由が臨時的で明白な場合があれば例外とされます。
B税務調査で事業実態が的確に把握されていること、不正計算をしたり、過去に多額の追徴を受けていたりしていないことです。
●第2グループ(まあがんばってねグループ)
中間層です。第1にも第3にも入らないと、ここに分類されます。
●第3グループ(要注目グループ)
@過去の申告・調査・資料・情報から常習的に不正計算が想定される。
A事業規模が急速に膨張、
他の税務所管内にも事務所が散在、広域で事業展開、
海外取引法人で規模からみて要注意、など。
Bその時々の社会情勢から特に的確な調査が必要。
Cその他大口追徴の行われた無申告常習法人、
多額の使途不明金が把握された法人
暴力団等に関係ある法人
上記の区分により、
過去の申告実績、調査事績、他の部門(所得税や資産税)の有効資料の有無、代表者等の所得・資産の異動状況が調べられるというわけです。≫
NO.181 金庫株解禁の改正商法成立−会社の自社株買取・保有が、原則自由に 平成13年6月22日午前の参院本会議で、企業が自由に自社株を保有・処分できる金庫株制度の解禁を柱とする商法改正法案が可決成立した。6カ月以内に、今秋から施行の見込み。
≪ 会社が自社株を買い戻し、消却しないまま保有して、金庫に放り込んでいる状態の自社株を「金庫株」といいいます。
1.原則買い戻し不可→原則可へ
これまでは、自社株買い戻しは、商法上下記の場合に限られ、自社株買い戻しは原則禁止されていた制度が、大きく変わることになります。
@会社分割・減資における株式の消却、A合併・吸収分割・営業譲渡、B権利の実行(競売や代物弁済)、C株主の買取請求権の行使による買取、D発行済株式の10%までの使用人・取締役への譲渡、E株式の利益消却、F譲渡制限ある株式で会社へ売渡請求(次のGと合わせて発行済株式数の20%)、G相続人からの相続開始後1年内の取得(Fと合わせて20%)
改正商法により、どんな目的でも自社株を取得でき、保有の期間や数量にも制限がなくなります。
2.自社株買い戻し自由化の狙いと効果
この自社株買い戻し自由化の狙いと効果はどこにあるのでしょうか。
@金融機関が改正銀行法の規制により保有できなくなった株式を放出した場合に、そのままですと市場で株価の下落を招きますが、自社株を事業会社が取得することができるようになれば、株価を安定させ、株価の急落を防ぐことで証券市場を支えることができます。
A企業買収の時に保有する自社株を買収資金代わりに使うことができます。
@自社株には議決権はありませんが、企業買収を受けそうになった場合に、保有自社株を売却し、議決権数を増やして経営防御に使うことができます。
また、非公開会社でも、自社株の買取・保有が自由になるのですから、当然、会社を受け皿として相続人は自社株を物納し、会社は国からその株を買い取ることが可能になります。
3.買取金額の制限
ただ債権者の保護のため、改正商法は保有できる自社株の取得金額は、下記の金額を越えないこと、とする制限を設けています。
取得金額の総額<配当可能利益+減少する法定準備金・資本金の額
会社の含み益が大きい場合は、配当可能利益の計算上その含み益は除かれますから、含み益のため高額評価になっている会社の株主には限界があるといえます。
4.単位未満株制度廃止→単元株制度の導入
また、今回の改正で、大半の上場企業で採用されている単位株制度(1000株を最小の売買単位とする制度)廃止し、売買単位を企業が自由に決められる仕組み=単元株制度を導入することとされます。≫